このブログでも度々追ってきましたが、クシムのライツ・オファリングについて、新株予約権の取引期間が終了しました。
明日12月4日で予定通り新株予約権は上場廃止となります。
区切りが良いので、一旦新株予約権上場期間の値動きを振り返っておこうと思います。
新株予約権の上場期間
今回クシムが行ったライツ・オファリングでは、新株予約権が市場で取引できるというものでした。
新株予約権自体は元々のクシム株保有者に対して1株に対して予約権1個の割合で与えられますが、行使してクシム株を新たに取得するためには1個行使するにあたり432円が必要になるので、資金がない人は市場でこの上場期間を利用して市場で売却することが可能でした。
詳しくは下記の記事もご覧ください。
新株予約権の上場期間は、11月2日~12月3日、つまり今日まででした。
上の記事にて同様の手法をとったカイカのライツ・オファリング期間の値動き推移について考察しましたが、カイカは最終的に新株予約権の市場価格が1円にまでなるという散々な結果でした。
(しかしながら行使により資金は確保出来ているのでライツ・オファリングとしては成功と言えるのではないかと思います)
クシムの場合は、元の時価総額が低かったこともあり、短期売り抜け組の売り圧にも負けずになんとか踏ん張りました。
ちなみに、行使期間は12月9日までなので、まだ最後の短期売り抜け組が残っていると思いますが、この時期に行使をする人は、もうちょっと保有してみるという人が多いのではないかという印象です。
子株上場期間の値動き
さて、新株予約権(面倒なので子株と呼称します)が上場している間の、クシム本体(親株)・子株の値動きはどうだったのかを見ていきましょう。
子株が上場して取引が開始されたのが11月2日です。
そこからしばらくすると、親株の株価は下落していきます。
これは以前に考察した通り、短期売買組が、新株予約権購入⇒行使⇒売り抜けをしたためだと思われます。
親株の下落に伴い子株も下落していきます。
始めの方は、親株と子株の開きが行使価額よりもだいぶ大きかったんですよね。
なので子株上場直後は、子株を仕入れ⇒行使⇒売り抜けで、ある程度稼ぐ余地があったのではないかと思います。
行使申請してから実際に親株を受領するまでにはタイムラグがあるので、そう上手くはいかないのでしょうが。
親株は11月17,18日で540円をつけた後、リバウンドをしていき、600円を超えました。
この間、親株と子株の差額は当然のことながら行使価額である432円付近に収束しています。
このリバウンドの局面では子株が市場値上がり率の上位に顔を出していましたが、親株にくっついて同額上昇するにも関わらず子株は単位株価が安いので、率にすると大きいのは当然のことです。
底が見極められれば、子株を回して稼ぐという選択肢もあり得たと思います。
親株が600円を超えて推移した後、再度下落をしたものの前回安値ほどは下がらず、子株の上場最終日の今日は、親株595円でフィニッシュしました。
どれくらいの資金を調達できたのか
上にも書いたように、子株の取引こそ終わったものの、まだ行使期間は続いています。
なので、まだ途中段階ではありますが、本日クシムからリリースがあったところによると、目標であった行使率50%は既に達成したとのことです。
その資金調達額は既に約8.6億円に達しているとのことで、この資金を用いたM&Aがクシムの今後の成長のカギになります。
行使期間最終日まではまだ日がありますので、最終的な行使率はここからもう一伸びするのではないかと思っています。
おわりに
クシムのライツ・オファリングについて、子株上場期間終了ということでここまでの振り返りを行いました。
カイカの時のように、子株が1円になるというような事態にならなくて良かったですね。
また資金も順調に集められているみたいで、最終日までどこまで伸びてくるでしょうか。
集まった資金を元手に銀行から更に資金調達すれば、レバレッジをかけた大掛かりなM&Aも可能な状態になります。
過去のクシムの資料には、まずは数億円のM&A案件から積み上げていく旨があったと記憶しているので、いきなりの大勝負はしないと思いますが、これだけの資金があればかなり可能性は広がるので、何を仕掛けるのか楽しみですね。
間もなく出る今期の決算さえ通過すれば、来期は面白そうです。
ま、通過できるかが大きな問題ではあるのですが・・・。
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