ここのところ書くネタがなかったので更新が疎かになっていましたが、久々にスカラに良いニュースがありましたので、記事に残しておきます。
私は以前からデジタルID技術を用いた行政改革を目指しているGovtech企業xID社に注目していまして、xID社と資本業務提携を結んでいるスカラにもかなりの期待を抱きながら株を保有しております。
今回公表されたのは、不動産事業を主だった柱事業とするシノケングループとスカラの業務提携、そして不動産及びライフサポートに特化したトラストDXプラットフォームに関する共同研究・共同開発です。
今日はこれを取り上げたいと思います。
シノケングループとの業務提携がターゲットとするDX領域
一口にDXといっても、DXという用語の守備範囲は広いため、その用語からだけでは今回の業務提携が何を目指したものなのかは見えてきません。
そこで、まずは今回の業務提携が、DXと呼ばれる領域のどの部分をターゲットとしたものなのかを見ていきたいと思います。
今回のリリースの中に両社がターゲットとするところが書かれていますので、抜粋します。
https://scalagrp.jp/news/2020/10-shinokengrp/
リリースの中には、デジタルトランスフォーメーションの3ステップとして上の図があります。
ステップ1はアナログ取引のデジタル化による「効率化」、ステップ2はAI, IoT, VR等を用いたデジタル化した取引の「高付加価値化(リリース中の図の文言、間違ってますね)」、そしてステップ3として正当性、改ざん防止、完全性を担保した信頼性のある自由データ流通(トラストDX, トラストサービス)と定義されています。
ステップ1や2の取り組みは既に多様な取り組みがされているとのことですが、今回の提携はこれから本格化するステップ3をターゲットとするものです。
ステップ3に位置付けられるトラストDX、そのプラットフォームを構築するための共同研究・共同開発が今回の業務提携内容というわけですね。
シノケングループが不動産分野でのノウハウを、スカラがトラストDXプラットフォームに関するノウハウを出し合うことで、不動産及びライフサポートに特化したトラストDXプラットフォームを創り出すというのが業務提携の目的になります。
まさにスカラが掲げる「価値共創プラットフォーム」を体現するものと言えます。
トラストDXにより変容する不動産取引
次にトラストDXを実現することにより、不動産取引がどのように変容するのかを見ていきます。
こちらもリリースの図を参照しましょう。
https://scalagrp.jp/news/2020/10-shinokengrp/
従来型の不動産取引は対面・紙ベース・ハンコが前提の取引となっています。
不動産購入をしたことがある方はよくご存じかと思いますが、不動産取引は各段階において膨大な数の書類を取り寄せたり提出したりハンコを押したりと、多大な労力がかかります。
その取引プロセスについて、非対面化・オンライン化を図る効率化DX(先ほどのステップでいうところのステップ1や2に該当すると思われます)、そしてデジタルIDによる個人・組織証明、改ざん防止、透明化を図るトラストDX(同じくステップ3ですね)を行うことで実現するのが新型のトラストDXプラットフォームということです。
そして、そのトラストDXプラットフォームを実現するための基盤技術として、「総務省認定の公的個人認証サービス(xIDのことです)」「AI」「ブロックチェーン」を用いる、ということですね。
トラストDXプラットフォームにより実現する社会
それでは不動産トラストDXが実現すると不動産取引に関係する各プレーヤーの関わり方はどうなるのでしょう。
それを示す図をピックアップします。
https://scalagrp.jp/news/2020/10-shinokengrp/
従来対面で行っていた不動産取引の各過程が上記図のようにオンライン化されます。
なお、図にあるREaaSというのは、Real Estate as a Serviceの略で、ビジネスモデルの革新とテクノロジーの融合により、より多くの人々が手軽に安全に少額から不動産取引がしやすくなるという、シノケンが提唱する概念、だそうです。
この図の通り、各プレーヤーは新たに構築されるトラストDXプラットフォームを介することで、オンラインにより取引を完結させることが出来るようになります。
これを実現する鍵となる技術が、”マイナンバーと紐づいたデジタルIDによる個人認証”サービス、つまりxIDにあるのは疑いようがありません。
この将来像をみても、xIDを早い段階で仲間に引き入れたスカラの先見性は、目を見張るものがあります。
スケジュール
大事なスケジュールについては、次のように記述されています。
https://scalagrp.jp/news/2020/10-shinokengrp/
年内に概念設計、年明けから共同研究・共同開発実施ということで、プラットフォームが実現するまでにはまだ時間がかかりそうですね。
DXは菅政権の本丸とも言える政策なので、これから様々な事業者が覇権争いに加わってくると思うので、それらの競合から頭一つ抜け出せるようになるべく早くサービスとして形にしてもらいたいですね。
おわりに
今回はシノケングループとスカラの業務提携及びそれにより実現する不動産DXについて記事にしました。
リリースのタイトルには、不動産及びライフサポートDXとありましたが、今回のリリース内容を読む限りライフサポートDXの具体的な内容には触れていなかったので、これはまた別の動きがあるのかもしれませんね。
xIDの技術を基盤としたプロダクトの展開は私がスカラに最も期待する部分なので、そのリリースが出てきたのは非常に嬉しいです。
これを皮切りにいろいろと新たな取り組みが出てくると思うので、それらにも期待しながら次なる展開を待ちたいと思います。
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