久々の決算レビューです。
今回は、現在は保有していないのですが、監視銘柄の一つであるMacbee PlanetのQ3決算が11日に出たので、そちらを見ていきます。
では早速見ていきましょう。
上方修正
今回の決算と同時に今期予想の上方修正が行われました。
その中身がこちらです。
うーん、絶好調ですね。
上方修正の理由ですが、主力クライアントである美容(EC)、金融(証券)業界の売上高が引き続き堅調に推移したことにより、懸念されていた新型コロナウイルス感染症による落ち込みが限定的となったことが挙げられています。
美容(EC)も証券も対面型のサービスではないので、影響が少なかったのでしょうね。
それにしても修正された予想ベースでの前期からの成長率はすごいですね。
売上が伸びると同時に営業利益率も改善していて、言うことなしという感じです。
売上推移
決算説明資料にQごとの売上推移が掲載されていたので見ていきましょう。
今期のQ2~Q3にかけては売上の伸びがすごいですね。
この売上高トレンドが今後も継続していくのかどうかが大きなポイントですね。
こちらは説明資料に示されている業界別の売上構成比です。
MacbeePの主要クライアントであるEC(美容)や証券の分野では、2020年は業績が良い会社が多かったです。
コロナで明暗が分かれたうちの、「明」に分類される企業が主要クライアントであったことが、2021.4期の好調に繋がっているのかもしれませんね。
クライアントのポートフォリオにまだ偏りがあるようなので、MacbeePの業績も当面はクライアントの業績に連動するような形の推移になるのでしょうか。
ECにしても証券にしても、一度ライフスタイルに組み込まれると継続性が期待できる事業だと思うので、クライアント企業の業績好調に伴ってMabeeもしばらくは好調が続くのではないかと思われます。
今後さらに事業を広げるとともに、リスク分散するためには、他分野への進出が鍵となりますが、当面は主要クライアントへの注力だけでも業績を伸ばしていけそうな感じです。
利益率の向上
続いて着目したいのが、利益率の向上です。
こちらの資料にあるとおり、前期比にて売上が倍近い伸び(すごい)となっているのですが、それ以上に利益が約2.8倍の伸び(超すごい!!)となっています。
右の表にあるとおり、Q3の営業利益率は7.6%まで改善されていますね。
この利益率改善の理由はセグメント構成の変更にあります。
MacbeePは「アナリティクスコンサルティング事業(AC事業)」と「マーケティングテクノロジー事業(MT事業)」の2つのセグメントにて事業報告がされていますが、両者では売上総利益率が大きく異なります。
左側のグラフにあるとおり、AC事業の売上総利益率が15%であるのに対し、MT事業は100%です。
今期はMT事業の売上総利益率シェアが高まっており、それが営業利益率改善の理由のようです。
トピック
今回の決算においてトピックが2つありましたので、特出ししておきます。
I-Robeeのリリース
投資家向けのweb接客ツールであるI-Robeeをリリースしています。
こちらは1月に別途IRニュースが出ていましたね。
投資家とのデジタルコミュニケーションによって投資先企業のファン(長期投資家)を増やすツールということです。
このサービスはMacbeePの公式サイトにも使われているのですが、1ユーザーとしてとても好感をもっています。
現在はチャットボットにより投資家の知りたいことを選択方式で自動対応してくれるサービスとして展開されていますが、聞きたい内容が端的にまとまっているとともに、必要なリリースへのリンクなどにも繋がっていて、とても利便性が高いです。
(なお、以前よりも若干動作が重くなっている感じがするので、そこは改善してほしいですかね)
他の会社にもサービスとして提供していくということなので、単価がどれほどなのかわかりませんが、ある程度引き合いがあるんじゃないかなと思っています。
子会社を設立
MacbeePが行っていた事業のうち、リテンションマーケティング部門を独立させ子会社化するとのことです。
リテンションマーケティングとしては、現在はチャットボットによる解約防止サービスを展開していたので、これを新会社に移すのだと思われます。
新会社によってサービスの音声技術活用等によりサービスの質の向上を目指していくようです。
おわりに
今回は、監視銘柄の一つであるMacbeePlanetのQ3決算を見ていきました。
大幅な上方修正からもわかるとおり、足元の業績は絶好調ですね。
MacbeePのすごいところは、100人に満たない従業員数で今季90億円の売上・4億円の当期純利益を達成しようとしているところです。
ものすごく効率良いですよね。
平均年齢も30.3歳ですって・・・!
驚愕・・・。
今回がQ3なので次の本決算では来期予想が出てくるので、この成長が持続するのかどうかの試金石になるのかなと思います。
絶好調のQ3決算だったのですが、翌日12日(金)の値動きは、大きな陰線を描いて終わりました。
この値動きは意外だったのですが、決算前にある程度株価が上がってしまっていたので、期待を既に織り込んでしまっていたということなのでしょう。
とはいえ、この好調な業績が継続するのであれば、いずれ株価もそれに見合った形で成長していくと思いますので、今後の動向にも注目していきたいと思います。
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