[KLab] 2Qの損益分岐点予測

以前に予告しましたが、KLabの2019年第2四半期の損益分岐点について、予測してみましたので記事にします。

まずは、下の表をご覧ください。

これは以前に記事を書いたときにも用いたKLabの2017.1Qから最新の2019.1Qまでの決算情報から作成した表です。

おさらいですが、KLabの営業利益は上の表で言うところのF=A-B-D-Eで成り立っています。つまり【売り上げ】-【使用料・支払手数料】-【原価販管費合計】-【広告費】です。

このうち、【使用料・支払手数料】については、概ね一定しており、約50%前後を推移しています。これはappleやgoogleへのプラットフォーム手数料のほか、既存IPに対する使用料が含まれています。売り上げの半分がプラットフォームやIP使用料に持って行かれるというのは何とも寂しい感じがしますが、これは仕方ない支出です。

一方で、それ以外の費用として、原価販管費合計があります。

原価販管費の内訳としては、人件費・外注費・業務委託費・原価償却費・試作/研究開発費のほか、マイナス勘定として新作開発費が計上されています。この原価販管費合計は、ここ1年ほどは25億円以内で横ばいに推移しています。

そして、最後に広告宣伝費です。これは名の通り、広告宣伝に要する費用でしょう。KLabはガンホーやコロプラなどの他のソシャゲ企業に比べて、マス広告をあまりうたないという特徴があります。それは一方では、広いユーザーを獲得しづらい負の面があるのですが、しっかりとしたコア客がいるIPを利用することで、費用のかかるマス広告を使わなくても長期に遊んでくれる顧客を狙ったゲームを開発しているという印象があります。

最近、ヒットしている禍つヴァールハイトはまさにその好例だと言えます。まだ世間には広く浸透していないvtuverを積極的に用いてコラボを実施するなどの広報展開をし、コアなユーザーを囲い込んでいます。

必ずしも万人に受けるゲームでは無いかもしれませんが、一部のコア客をターゲットに開発することで、広告展開という面でも、費用対効果の高さに繋がっています。

そんなKLabの1Qあたりの広告費は、通常時で5億円程度(リリースの無かった2019.1Qを参考)、リリースがあると7億円強になります(キャプ翼リリース直後の2017.3Qやマジバトリリース直後の2018.3Qを参考)。2019.2Qにはまがつのリリースがありましたから、広告費も7億円強まで使っていることが想定されます。

さて、材料が揃いました。ここから損益分岐点の計算です。

固定費となる原価販管費合計を近年の平均的な値である25億円、広告宣伝費を直近のリリースがあったQを参考に7.5億円と設定します。この合計32.5億円を【売り上げ】×(1-【使用料・支払手数料率】)が上回る点が損益分岐点となります。

【使用料・支払手数料率】を前Qと同じ49%としてやると、32.5/(1-0.49)=63.7億円となり、これが2019.2Qの損益分岐点と想定しています。

これをベースにすると、4・5月の推定売り上げの状況から、2Qの黒字はほぼ間違いない状況と言えます。

※上記の予測はあくまでも、個人の見解によるものです

コメント

  1. […] 中間の予測条件は、こちらの記事で示した内容になっています。広告宣伝費のみ過去の例にならって考慮し、その他は1Qの設定を当てはめたものです。 […]

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