【クシム 2345】企業分析

企業分析
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久しぶりのブログになります。

今日は今後を期待する企業の一つであるクシムについて分析していきたいと思います。

クシムは東証二部に上場する「HR Tech」や「Ed Tech」分野に軸足を置いたビジネスを展開する企業です。

私もポートフォリオに組み込んでいる今後が楽しみな企業の一つです。

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クシムってどんな会社?

クシムもそうですが、BtoBのサービスを展開する企業というのは、何をやってるのかがいまいちわかりづらいです。

企業の公式ページも、商売の相手先となる企業向けにつくられていることが多いため、その分野に馴染みがない人間が見てもいまいち何をやっているのかわからないということが多いです。

そういう時に便利なのが、企業のリクルートのページです。

人材募集のための企業紹介ページには、意外と噛み砕きやすい文章で企業の説明が載っていることが多いので、気になる企業を調べる取っ掛かりとしてオススメです。

というわけで、今回はクシムのリクルートページから情報を引用します。

株式会社クシムは、1997年6月のistudy(前社名)創業以来、企業向け学習管理システム(Learning Management System)の開発及び販売、OracleやIBMなどのベンダー認定研修、e ラーニングコンテンツの開発など、20年以上にわたり一貫して、企業向け人材育成サービスを提供してきました。

株式会社クシム リクルートページ https://www.kushim.co.jp/recruit より引用

会社の設立は1997年ということで、なかなかに歴史ある会社です。

企業向けにベンダー認定研修やeラーニングコンテンツの開発など、人材育成サービスを提供してきた会社なんですね。

2018年5月には新規事業として、高度IT人材育成型人材紹介事業「iStudy ACADEMY」を立ち上げ、2019年3月からは新たな経営体制のもと、業態のトランスフォームを推進。

株式会社クシム リクルートページ https://www.kushim.co.jp/recruit より引用

2018年5月に高度IT人材育成型人材紹介事業の立ち上げ、2019年3月からは新経営体制、ということで、これまでの業態から変容しつつある様子が伺えます。

また、2020年5月には前の社名であるアイスタディ株式会社から現在の株式会社クシムに社名変更をしています。

20年以上続いている企業が社名を変えるということは、社内で変革が起きていることの証左でしょう。

会社が新たなステージに挑もうとしている様子が、社名変更からもうかがい知ることができます。

ちなみに、現在のクシムの代表取締役社長である中川社長は2017年10月から現クシムの取締役になっています(代表取締役社長は2019年3月から)。

M&Aによりクシムグループとなったエイムソフト、東京テック、CCCT各社との業務シナジーを追求し、いまや200人の仲間を擁するまでに成長しました。

株式会社クシム リクルートページ https://www.kushim.co.jp/recruit より引用

近年のクシムに起きている変化を表すキーワードとしてM&Aが挙げられます。

ここにも書かれている、エイムソフト(2019年10月完全子会社化)、東京テック(2019年11月完全子会社化)、CCCT(2020年3月連結子会社化)の他、ケア・ダイナミクス(2020年5月子会社エイムソフトによる完全子会社化:クシムにとっては孫会社)、イーフロンティア(2020年5月連結子会社化)とグループ全体で次々とM&Aをしかけています。

ここまでの流れを時系列で並べてみると下記の通りです。

  • 2017年10月 【人事】中川さん(現社長)取締役就任
  • 2018年5月  【事業】高度IT人材育成型人材紹介事業立ち上げ
  • 2019年3月  【人事】新経営体制(中川さん代表取締役社長就任)
  • 2019年10月 【M&A】エイムソフト(2020年10月1日からクシムソフトに商号変更予定)を完全子会社化
  • 2019年11月 【M&A】東京テック(現クシムテクノロジーズ)を完全子会社化
  • 2020年3月  【M&A】CCCT(現クシムインサイト)を連結子会社化
  • 2020年5月  【事業】アイスタディ⇒クシムに社名変更 
  • 2020年5月  【M&A】子会社エイムソフトがケア・ダイナミクスを完全子会社化
  • 2020年5月  【M&A】イーフロンティアを連結子会社化

こうしてみると、現取締役社長の中川さんが就任以降に社内で大きな改革が始まっている様子が見て取れます。

未来永劫、社会に必要とされる存在になるべくHR Tech×Ed Tech領域で日本を代表するソリューションカンパニーを目指しています。

株式会社クシム リクルートページ https://www.kushim.co.jp/recruit より引用

リクルートページの企業紹介は上の文言で締めくくられています。

要約すると、20年以上企業向けに人材育成サービスを提供してきた会社であり、近年、高度IT人材育成型人材紹介事業の新規立ち上げやM&A攻勢により企業変革を遂げようとしている会社、と言えます。

事業①:Eラーニング事業

現在のクシムの事業は3つのセグメントに分かれています。

2019.10期まではセグメントが「ソフトウェア事業」「研修サービス事業」の2つでしたが、2020.10期からは下図の通り、「Eラーニング事業」「アカデミー事業」「インキュベーション事業」の3つに分類されています。

株式会社クシム 2019年10月期決算説明会資料より引用
https://www.kushim.co.jp/hubfs/iStudy/documents/ir/news/ir_20191216.pdf 

このうちEラーニング事業は従来のクシムの主たる事業が新たにカテゴライズされたものと位置付けることができます。

学習管理システム「iStudy LMS」や「SLAP」など主力の事業はここに入ってきます。

このうちSLAPはPowerPointやExcelの機能拡張により、マルチデバイス対応のeラーニングコンテンツを簡単に作成できるアプリケーションとのことです。(iStudy LMSも同様の機能を持っていますが、より高度なニーズを満たすアプリケーションのようです。)

通常は企業内研修等の用途で使用されることを想定したサービスだと思いますが、コロナ禍でのオンライン授業需要が高まってから、全国の学校教育機関向けの教育ツールとして無償で配布をしています。

SLAPのマネタイズはライセンスビジネスを用いているらしく、無償で配布してしまうとライセンスで料金を取ることができません。

なので、このニュースを最初に見た時は、マネタイズどうすんだろ・・・と心配だったのですが、決算説明動画の中で、オプション機能で有料となるものがあるのでライセンス収入が無くてもマネタイズできているということが社長の口から語られていました。

いくらシェアを広げるためとは言え、完全無償はいかがなものか、と思っていたのですが、これには安心しました。

そうであればたくさん利用してもらって便利だと感じてもらえた方が、今後の有料ライセンス顧客獲得にも繋がるため、無料配布という戦略は良い動きだったと思います。

このセグメントには、他に、イベントスタジオやラーニングコンテンツというのも含まれています。

クシムでは自社でイベントスタジオを持っていて、そこでeラーニング用コンテンツの制作が出来てしまうとのこと。

設備やサポートスタッフも備えているということで、そこでオリジナルコンテンツが制作出来てしまうというものです。

コロナ禍でオンデマンドコンテンツ制作ニーズが高まっていて、スタジオの利用回数が急増しているとのことです。

そしてラーニングコンテンツとは、クシムが自社で製作しているラーニングコンテンツのこと。

ディープラーニングやブロックチェーンなどの先端技術から、プログラミングやオペレーティングシステムなどのITスキル、財務会計やofficeスキルなどのビジネススキルなど、様々な分野のコンテンツが揃っているようです。

こうした自社制作のコンテンツの販売も行っています。

事業②:アカデミー事業

2つ目のセグメントであるアカデミー事業には、高度IT人材育成・排出、システムエンジニアリングサービス、情報セキュリティコンサルティングサービス、教育講師派遣サービスが含まれています。

高度IT人材育成・排出以外は子会社化したエイムソフト等が主に実施していた事業ですね。

高度IT人材育成・排出事業はAIやブロックチェーンに特化した人材育成を行い、また育成された高度IT人材の輩出を行い経営課題解決に寄与するサービスだそうです。

現在は、企業の高度IT技術者採用支援、研修業務の受託代行を行っていて、継続してサービスの拡充を図っているとのこと。

自社のコンテンツで高度IT技術者を育てて、その人材を他社に派遣するってイメージなんですかね。

正直なところ、色々な情報を集めてみても概念的な説明が多く、具体的なサービスのイメージが掴みにくいです。

なお、Q3からは孫会社となったケアダイナミクスの業績もこのセグメントに入ってくるようです。

事業③:インキュベーション事業

このセグメントには、受託研究、システム受託研究、コンサルティング事業、投融資事業およびインキュベーション事業が含まれています。

東大の松尾研究室との共同研究事業もこのセグメントに入ってきます。

クリックしてpr_20191105a.pdfにアクセス

松尾研究室と言えば、グノシーやPKSHAを輩出した、日本ディープラーニング協会理事長も務める松尾教授が牽引する研究室です。

クシムは松尾研究室やそのパートナー企業と介護施設向けAI検知システム構築に関する共同研究を行っていて、研究成果となるプロダクトローンチを2020年秋頃に予定しているそうです。

介護と言えば、孫会社になったケアダイナミクスの事業領域ともシナジーがありそうですね。

最近リリースがあったクラウドにアップするだけでAIによるデジタルリマスターを実現する「AIリマスター」もこのセグメントに入るのかもしれないです。

クリックしてpr_20200701.pdfにアクセス

今後、様々な展開を見せてくれそうで、楽しみなセグメントです。

クシムの業績は?

クシムを調べてわかったことは、傘下のグループも含めてIT人材が豊富にいる、IT人材を教育するコンテンツ・ノウハウがある、M&Aを駆使した変革期を迎えて様々な新規事業が興ろうとしている、ということ。

変貌を遂げつつある現状はわかったのですが、足元の業績が気になるところです。

そこで最新の決算説明資料からの抜粋をどうぞ。

株式会社クシム 2020年10月期 第2四半期決算説明会資料より引用
https://www.kushim.co.jp/hubfs/kushim/ir/documents/ir_20200610_2.pdf
株式会社クシム 2020年10月期 第2四半期決算説明会資料より引用
https://www.kushim.co.jp/hubfs/kushim/ir/documents/ir_20200610_2.pdf
株式会社クシム 2020年10月期 第2四半期決算説明会資料より引用
https://www.kushim.co.jp/hubfs/kushim/ir/documents/ir_20200610_2.pdf

3枚目にもありますが、新型コロナの騒動が一長一短あるものの通期では大きくプラスになる見込みというのも頼もしい情報です。

なお、Q3からは傘下に入ったイーフロンティアとケアダイナミクスの業績も連結される予定です。

利益はそれほどでもないですが、売上に対してはそこそこのインパクトがありそうです。

おわりに

今回はAIやブロックチェーンという高度IT技術を基盤に、人材の教育・派遣・コンテンツのパッケージ化など多方面でビジネスを展開するクシムを取り上げてみました。

事業が多角化していて全体を捉えるのがとても難しい会社です。

M&Aも積極的にしかけていて、ますます事業領域が広がっています。

そうなると舵取りが非常に難しそうですが、決算説明会の動画を見る限り、社長の中川さんはなかなかのやり手とお見受けします。

M&Aの方針についても、むやみやたらと行うわけではなく、既存事業とシナジーを発揮できる企業としか行わないと言っていて、好感が持てます。

技術者を大勢抱えていると思いますので、それを上手く舵取りして相乗効果を生み出すことができたら、大きなうねりになる可能性があると思います。

中川社長の手腕に期待して、見守りたいと思います。


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