【ETF WTI原油価格連動型上場投信 1671】ロールオーバーによる影響を計算してみた話

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先日、原油ETFにはじめて触ってみた話を記事にしましたが、度重なるロールオーバーによって直近の原油爆上げの恩恵を充分に預かっていない状況に陥っていると思いましたので、興味本位でロールオーバーによる減価の影響を試算してみました。

こないだ書いた原油ETFに手を出した話
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4月後半からの投信の動き

まずは、シンプレクス社から公表されている日々の開示事項をとりまとめたのが下の表です。

基準日口数純資産総額基準価額対象指標
との乖離
4月28日138,835,00065,016,780,67746810.96%
4月30日138,835,00067,643,145,879487-13.31%
5月1日138,835,00075,834,703,311546-13.46%
5月7日146,535,00088,651,421,218605-15.33%
5月8日149,535,00088,646,712,007593-0.23%
5月11日151,535,00095,608,973,4406310.77%
5月12日152,835,00092,496,915,669605-2.22%
5月13日152,795,00093,924,086,606615-4.77%
5月14日152,815,00091,671,734,075600-0.30%
5月15日152,815,00097,326,281,176637-3.36%
シンプレクス・アセット・マネジメント株式会社 日々の開示事項より引用

このシンプレクス社が運用するこの投信はWTI原油先物の直近限月の価格を指標としてそれに連動することを目指したものです。

大幅に値崩れした5月限が満期を迎え、直近限月(対象指標)が6月限となって以降の期間の動きになります。

原油先物の値動きが大きくニュースになり注目が集まったためか、口数は大きく増えていますね。

また、原油先物価格が底値から徐々に回復しつつある局面だったので、総資産額もともづれで大きく増えていることがわかります。

ここで注目したいのは、基準日4月30日から5月7日までの間、対象指標との乖離が非常に大きくなっていることです。

この期間に何が起こったのかは、同じく開示事項に記載されている買建玉の内訳をみるとわかります。

買建玉の移り変わり

先ほどの表と同じ期間の買建玉の内訳をとりまとめたのが下の表です。

基準日合計7月限8月限9月限12月限
4月28日30,40714,130
(46.5%)
16,277
(53.5%)
  
4月30日31,3539,128
(29.1%)
22,225
(70.9%)
  
5月1日31,2702,254
(7.2%)
29,016
(92.8%)
  
5月7日31,285 29,016
(92.7%)
 2,269
(7.3%)
5月8日31,482 25,059
(79.6%)
2,400
(7.6%)
4,023
(12.8%)
5月11日31,250 22,611
(72.4%)
3,400
(10.9%)
5,239
(16.8%)
5月12日30,887 18,148
(58.8%)
6,000
(19.4%)
6,739
(21.8%)
5月13日30,720 14,131
(46.0%)
8,800
(28.6%)
7,789
(25.4%)
5月14日30,437 10,848
(35.6%)
9,800
(32.2%)
9,789
(32.2%)
5月15日30,193 10,604
(35.1%)
9,800
(32.5%)
9,789
(32.4%)
シンプレクス・アセット・マネジメント株式会社 日々の開示事項より引用

4月28日時点で7月限・8月限の先物で運用していた状態から、ロールオーバーを繰り返し、5月1日にかけて8月限の厚みを増し、5月7日時点では7月限は手放し12月限にロールオーバー、そこから先は8月限を徐々に9月限・12月限にロールオーバーしながら、現在はその比率を約1/3ずつにまで分散させています。

この間、直近限月である6月限の先物価格はどのようだったかというと、GW中~明けくらいの時期にかけて、原油減産やアメリカ経済再稼働への期待が価格にも反映され始め、急騰を続けます。

5月13日に公表されたクッシングの原油在庫はついに前週から減少に転じましたし。

原油先物は直近限月の方が値動きが大きく、遠い限月の方が値動きが小さい性質があるので、この急上昇局面を値動きの小さい遠い限月にロールオーバーしてしまったのは、非常にもったいないと個人的には思っていました。

運用のリスクを回避するためということで一定の理解はできますが、もしこれをやるならもっと前にしておくべきだったでしょうね。

野村アセットマネジメントが運用する原油投信では、4月29日の段階で既に8月限・9月限・12月限に分散して運用されていたことから考えても、あまり上手くないなという印象です。

https://nextfunds.jp/news/2020/fund_200430a.html

野村アセットマネジメント 原油先物ETF(1699)の先物保有状況(4月29日付)

対象指数に連動していた場合の試算

さて、仮に期先へのロールオーバーを控えて対象指数に連動していた場合、どのような基準価額になっていたのか、試算をしてみました。

基準日基準価額

(A)
基準価額
の前日比
(B)
対象指標
との乖離
(C)
対象指標
の前日比
(D)
試算値

(E)
4月28日46810.96%
4月30日4874.06%-13.31%17.37%549
5月1日54612.11%-13.46%25.57%690
5月7日60510.81%-15.33%26.14%870
5月8日593-1.98%-0.23%-1.75%855
5月11日6316.41%0.77%5.64%903
5月12日605-4.12%-2.22%-1.90%886
5月13日6151.65%-4.77%6.42%943
5月14日600-2.44%-0.30%-2.14%923
5月15日6376.17%-3.36%9.53%1,010
シンプレクス・アセット・マネジメント株式会社 日々の開示事項より作成

上の表のうち、基準価額(A)と対象指標との乖離(C)はシンプレクス社から開示されている情報です。

基準価額の前日比(B)は基準価額(A)の前日からの変化率を算出したものです。

対象指標の前日比(D)は(B)ー(C)で算出した対象指標の前日からの変化率です。

この(D)の変化率を使って、4月28日時点の基準価額を基準に仮の基準価額推移を示したのが、試算値(E)です。

もし、4月28日以降、完全に指数連動していれば、5月15日時点で1,010円という基準価額が達成できていたという試算になります。

一方で、シンプレクス社から公表されている同日基準の基準価額は637円ですから、この差が期先へロールオーバーをしてしまった影響と言えます。

ここで気をつけたいのは、4月28日の時点でシンプレクス社の買建玉はその時点の対象指数である6月限ではなく、7月・8月に乗り換え済みでしたので、もしその比率のまま運用していても上の表と同様の値上がり効果は得られなかったでしょう。

ただし、期日が遠いものの方が値動きが安定する傾向にあるので、せめて7月限を残しておけば、今よりも高い基準価額が実現できていたのではないかと思います。

おわりに

今日は興味本位でシンプレクス社が運用するETFについて試算をしてみました。

期先に乗り換えたことで最近の原油大幅値上がり効果が薄くなってしまったという状況がみえてきました。

ただし、期先物についても値上がり幅は小さいものの確実に値上がりしていますので、ETF1671の基準価額も値を上げ続けています。

結局のところ何が言いたいかというと、リスクをおそれて早売りしてしまった自分が一番機会損失しているということですね。。。

・・・無念。


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