スカラからまた何やらすごそうなネタが届きましたよ。
自治体DXに前のめりな菅新首相が5年で自治体の統一システムをつくるんだと豪語したというニュースを見ていて、これはスカラに追い風くるかなー、とぼんやり思っていたのは昨日のことです。
そしてそこから数時間も経たない昨日の引け後、スカラから新たなニュースリリースが届きました。
それがこちら。
「日本初の官民共創」「共創型DXプラットフォームシステム」というパワーワードが目に飛び込んできます。
これは取り上げないわけにはいかないので、今日はこちらのリリースをレビューしてみましょう。
本日のリリース内容を今一度確認
改めてリリース内容を冷静に確認してみますと、主な点は2つです。
1つは【日本初の官民共創を展開する「Public dots & Company」社との業務提携】、もう1つは【共創型DXプラットフォームシステム「CO-DO」開発着手】となっています。
それぞれについてみていきましょう。
「Public dots & Company」社との業務提携
リリースの論点の1つ目がPublic dots & Company社との業務提携です。
このPublic dots & Company社、私は存じ上げなかったので、調べてみました。
この会社が設立されたのは2019年とまだ新しい会社のようです。
会社HPの「ミッション」を確認すると、「私たちは、公共を再定義する。」とあります。
その次に続くのは次のような文章。
わたしたちの目の前には様々な社会課題が広がっています。
行政だけでも、企業だけでも、変革を起こすのは難しい。
今、時代が必要としているのは官と民の共創です。
公共からパブリックへ。
Public dots & Companyは公共のアップデートを通じて
社会に新しい価値を創造していきます。
Public dots & Company 企業サイトより引用
https://www.publicdots.com/mission/
従来の官・民という分類で考えるのではなくて、その垣根を越えてより良い社会を創り出すという感じでしょうか。
ではそのための具体策としてはどんなことをやっているのか。
事業概要には「コンサルティング事業」「教育・スコアリング事業」「共創事業」とありますが、「コンサルティング事業」はまだしも、「教育・スコアリング事業」「共創事業」とはなんぞ?という感じですよね。
確認できたところをまとめてみました。
教育・スコアリング事業
「教育・スコアリング事業」及び「共創事業」については、企業サイトを見る限りまだプロダクト制作段階のようですね。
「教育・スコアリング事業」としては、官民共創のプロジェクトを推進するにあたり、それに適した人材であるかを判断するための客観的なスコアリングをするプロダクトをつくっているみたいです。
また、そのスコアを高めるための教育も行う予定だということで、これらを総称して「教育・スコアリング事業」としているようですね。
共創事業
「共創事業」については、蓄積されたパブリック人材に関するデータベースと、別で構築している社会課題に関するデータベースから、共創事業としてマッチングさせるためのプラットフォームを現在構築中のようですね。
今まで民間に軸を置いていてこれから官の事業領域に大々的に乗り込んでいこうというスカラに対して、官の部分で発生している社会的課題を民間のパブリック人材の力も使って解決を図ろうとするPdC社という構図でしょうか。
PdC社が掲げる「共創」というキーワードからも、スカラと非常に親和性の高い企業だということがわかります。
コンサルティング事業
おそらく「コンサルティング事業」に該当するのだと思われますが、既に自治体関連で大きなプロジェクトを受託しているようですね。
その1つが愛媛県での「愛媛県デジタル総合戦略(仮称)策定業務」です。
上の記事から本プロジェクトの特徴的な部分をピックアップします。
株式会社Public dots & Companyは、今回のプロジェクトを愛媛県だけでなく、都道府県のデジタル変革戦略のモデルを共創するものと位置付けており、従来の業務効率化を主な目的とするICT 化とは異なる取り組みと位置付けています。また、本業務は広域自治体である県が取り組むデジタル変革の新たなモデルとして、県と市町の協働モデルを愛媛県から全国に発信することに大きく寄与するものと確信しております。
【株式会社Public dots & Company】都道府県初のデジタル総合戦略、「愛媛県デジタル総合戦略(仮称)策定プロジェクト」キックオフ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000044479.html
まずは記事のタイトルにもある通り、都道府県として初のデジタル総合戦略策定であるということ。
そして上の引用の赤字で示しましたが、PdC社はこの愛媛県をモデル事例として全国に発信する意欲があるということです。
決して悪い意味だけではないですが、行政というのはどうしても慣例にならうというか、安全な道を歩きたがる性質があるので、愛媛県がファーストペンギンとなって良いモデルがつくれれば、後に続く自治体も増えてくると思われます。
スカラのリリースにも記載がありましたが、PdC社は三重県や出雲市とも自治体DXに関する取り組みを始めているとのことなので、実績をひっさげてますます横展開が期待できるのではないでしょうか。
議員オンラインサロン
冒頭で取り上げたスカラのIRには次のような文言がありました。
(中略)運営する日本初の議員オンラインサロンは、47都道府県、20政令市、23特別区の全てのエリアから議員が加入しており(後略)
日本初の官民共創を展開する「Public dots & Company」社との業務提携および、共創型DXプラットフォームシステム「CO-DO」開発着手のお知らせ
https://scalagrp.jp/news/2020/09-pdc/
この議員オンラインサロンは事業分類的にどこに該当するのかわかりませんが、これに関する記事がありましたので紹介します。
こちらの記事でわかるのは、PdC社が運営する「Public Lab(パブラボ)」は、日本初の議員オンラインサイトであること、2019年11月に立ち上げたこと、2020年1月には登録者が500人を突破したこと、2020年3月の当該記事時点で47都道府県および20政令指定都市および東京23区のすべてをカバーしたこと、などの重要情報が書かれています。
このパブラボですが、「地方議員」及び「地方議員経験者」のみが入会できるようです。
交流はもちろんのこと、官民連携事業の実務へのアサインまで出来るという、かなり実益を兼ねたサロンのようですね。
2019年11月から2020年1月までのわずか2か月で登録者が500人というのもすごいですが、47都道府県および20政令指定都市および東京23区のすべてをカバーしているというのはかなり重要なプラットフォームだと思います。
地方自治会のDX化を進めるにあたり、地方議員は必ず抑えるべきプレーヤーの一つです。
議会が反発してしまったら、いくら行政が事業を推進しようと思っても進まないですから。
逆に言うと、情報に精通した地方議員がいると、その人の助言を指針として当該地域のDX化が推進される可能性すらあります。
行政を大きく変革しようとするなら議員の力は絶対に必要になります。
そうした地方議員ネットワークをもっているというのは、地方行政改革を推進する上で大きな力となるでしょう。
スカラが今回PdC社と組んだのも、そのような部分に期待しているのではないかと思われます。
共創型DXプラットフォームシステム「CO-DO」開発着手
そして、スカラに投資している私が気になるのはこちらの部分です。
今回のリリースで、全国の自治体でのデジタル化を支援するインフラとして、共創型DXプラットフォームシステム「CO-DO」の開発に着手していることが明らかにされました。
そして今後、全国の自治体×PdC社×スカラで、共創プロジェクトを生み出していくとのこと。
このインフラがどのようなものなのかまだ具体的なものはわかりませんが、言葉通りに受け取るならばかなりアツい展開です。
PdC社は自治体DXについての業務を既にいくつか受託していて、それは今後も増えていくと思われます。
今回の業務提携により、PdC社としてはデジタル技術の部分で強力なパートナーを得る、スカラとしては自治体DXコンサルティングの部分で強力なパートナーを得る、というwin-win関係が構築されます。
PdC社と組んだことで、「CO-DO」には自治体が本当に必要としているコアな機能を盛り込むことが出来るのではないかと思っています。
自治体DX化の流れを想像すると、デジタル戦略(マスタープラン)策定⇒個別の具体策策定⇒デジタル化業務の発注、というような流れが想像されます。
この最上流を担っているPdC社との業務提携により、自治体デジタル化のかなり核心に迫るニーズを取り込んでシステム設計が出来るようになると考えています。
再三述べますが、まだCO-DOについて具体的なところは見えてきませんので、過度な期待は禁物です。
風呂敷広げるだけ広げて何も無かったというような結末も十分に想定されます。
しかしながら、仮に期待通りに具体化されたらとんでもないことになるだろうと、スカラを追っている者としては期待せずにはいられません。
おわりに
週明けが株主総会だったので、週末に何か良いリリースがあるかもということは考えていたのですが、追加購入を実行に移せなかったのは残念でした!
今回のリリースについて私が何よりも良かったと思っていることは、このリリースによりスカラが自治体DXのど真ん中を行こうとしている企業だという意思表示になったということです。
スカラのパートナーには、マイナンバー連携のデジタルIDを提供するxID社もいますし、ブランド戦略を担うブランディングテクノロジー(スカラとの合弁会社:株式会社ソーシャルスタジオを設立)もいます。
PdC社がパートナーになったことにより、
デジタル総合戦略コンサルティング:PdC社
基盤システム:スカラ
デジタルID技術:xID
地域ブランディング・マーケティング:ブランディングテクノロジー(ソーシャルスタジオ)
というスカラを介した強力な連合が出来上がることになります。
これはだいぶ強力な布陣で、自治体側からしても頼もしいのではないでしょうか。
デジタル庁及び自治体DXは菅さんが掲げる目玉政策です。
ライバルも多いと思いますので、スピード感ある施策展開によって実績を積み上げてもらいたいですね。
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