いやー驚きました。
15時を回っても一向に決算が出されず、これは悪い予感しかないと嫌な汗かきましたが、ものすごいサプライズがありましたね。
これは一つの記事でまとめられそうにないので、分割することにします。
最初に触れておかないといけないのは、何と言ってもソフトブレーン株の売却について。
これを最初に書きたいと思います。
ソフトブレーン株売却の概要
プロセスは非常にややこしいのでだいぶ省略しますが、プレーヤーは3者(ソフトブレーン、シー・ファイブ・エイトホールディングス(C5-8)、スカラ)です。
2020年9月28日に開催予定のスカラの株主総会で承認されることを前提に、C5-8が2020年9月29日~11月10日にかけて公開買付けを行います。
買付けが全て完了しなかった場合には株式併合の手続きを経て、ソフトブレーンの株主がC5-8とスカラのみになった時点でソフトブレーンは上場廃止となります。
そして、最終的にはスカラが保有するソフトブレーン株はC5-8から資金提供を受けたソフトブレーンにより取得され、ソフトブレーンはC5-8の完全子会社となるという流れです。
この買収をソフトブレーン株主(スカラを除く)、スカラ、C5-8の三者から見てみます。
ソフトブレーン株主(スカラを除く)にとって
C5-8による公開買付け価格は871円とされました。
本日終値が404円ですから、実に2.16倍です。
過去1年間を見ても、株価が高かった時期で700円台の前半ですから、ソフトブレーン株を持っていた人にとってはラッキー案件です。
実は私も先日のソフトブレーン決算が出た直後に選択肢にあがっていたんですよ。
コロナで打撃を受けたもののそれは予想されたことでしたし、収益性はまだあったのでいずれ株価は戻すと踏んでいたんですよね。
結果は入らずで非常にもったいないことをしました。
しかしながら例え決算直後に入っていたとしても、その後の根戻しで売っていたでしょうけどね。
話が脱線しましたが、ソフトブレーン株主にとってはラッキー以外の何物でもない話です。
スカラにとって
スカラがソフトブレーン株を取得した平均単価は350円とのことです。
それに対してソフトブレーンによる自己株式取得価格は714円となっています。
スカラが保有するソフトブレーン株は14,770,000株なので、(714-350)*14770000=約54億円がソフトブレーン株取得→売却でスカラが得る差額となります。
スカラの目利き力によってこれだけの収益を得られたということです。
しかしわからないのは、スカラが来期に計上している上記の売却益は約26億円となっていることです。
売却で得る差額約54億円から税を除いたものが約26億円ということなのでしょうか。
この部分については見落としているかもしれないので、後でまた資料見返してみてわかったら記事を訂正します。
なにはともあれ、売却により約26億円の利益とスカラの手元には714*14770000=約105億円のキャッシュが入り、それを元手にしてまた収益性の高い投資が出来るという状態になるわけです。
C5-8にとって
こんな高い金額で買い取ってC5-8にメリットはあるの?というのが気になるところでしょうが、あるからこの価格を出すのでしょう。
計算してみたところ、ソフトブレーンを完全子会社化するにあたりC5-8が要する費用は約250億円になりました。
それだけの金額を投じてもリターンが見込めるくらいにソフトブレーンは有望な投資先だったということなのでしょう。
本日終値ベースの時価総額が125億円ですから、いかに株式市場が会社の価値を正確に評価できていなかったかが表れていると思います。
ソフトブレーン社が市場に対して自社の価値を高める努力を怠っていたということの表れとも言えますが。
おわりに
さて、手にする約105億円を元手に次にスカラが何をするかが今後の注目ポイントになります。
とはいえ、キャッシュが入るのは2021年3月頃の予定なので、それまでには動きはないものと思われます。
ソフトブレーンが連結から外れて稼ぐ力は落ちますので、既存事業と親和性が高く、かつ成長が見込めるM&A案件を見つけなくてはなりません。
今回同時に公表された中期経営計画COMMIT5000の中で、既に200社程度にアクセスし優良な候補先10社ほどに具体的な出資を提案中と書かれていますので、これが顕在化してくると次のステップの姿が見えてくると思います。
目利きの良いスカラの次なる投資先がどこになるのか、今後が非常に楽しみです。
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