先日、以下の記事に日銀のETF貸付制度が始まったにも関わらず運用されていない実態を書きましたが、ついに大きめの動きが出てきたので、その様子をレビューします。
日銀のETF貸付状況
早速ですが、直近の日銀のETF貸付状況を表にまとめていますので、見ていきましょう。
日付 | ETF新規貸付額 (億円) |
6月12日 | 0 |
6月13日 | 0 |
6月14日 | 0 |
6月15日 | 0 |
6月16日 | 2 |
6月17日 | 0 |
6月18日 | 0 |
6月19日 | 0 |
6月20日 | 0 |
6月21日 | 0 |
6月22日 | 0 |
6月23日 | 1 |
6月24日 | 0 |
6月25日 | 100 |
6月26日 | 0 |
注目して頂きたいのは、6/25の数字です。
制度が開始されたから今まで一度も大きな貸付が行われていなかったのですが、6/25に一気に100億円もの貸付が実施されています。
今までの一桁億円の数字に比べたら雲泥の差ですよね。
ようやく本格的に制度が運用されるようになったのかという感じがします。
さて、それではこの日の日経平均がどのような様子だったのかを次で見ていきましょう。
ETF大規模貸付当日の日経平均及び日銀ETF買付の状況
次に気になるのは、大型貸付が行われた当日の日経平均の状況と、その日に日銀の買いオペは実施されたのかということですよね。
実際に見ていきましょう。
上図の緑色の棒グラフが日銀のETF貸付額です。
6/25に大型のETF貸付が行われていて、その日の日経平均(赤色の折れ線)を見てみると、前日との比較で落ち込んで、翌日にはV字回復しているのがわかるかと思います。
しかしながら、注目すべきはそこではないです。
ETF買付状況が青の棒グラフで示されていますが、6/25を見てみると、なんと1,000億円強もの買付が行われているじゃありませんか!
これはびっくり。
貸付額が100億円ですから、その10倍を同日に買い付けしているということです。
そんなんありなの?という感じがしなくもないですが・・・。
ちなみに、日銀の今年の買いオペの累計は、下記の通りです。
まだ5兆円にも届いていないです。
枠は12兆円分あるので、まだまだ余力は十分といったところでしょうか。
では、もうちょっと細かく、同日の5分足チャートを見ていきましょう。
ご覧のとおり、10時頃から急激に値下がりはじめ、わずか1時間ほどで200円ほど値を下げます。
しかしながらお昼をまたぐと価格はGUしてスタート。
午後は細かい上下動を繰り返しながら、最終的には同日の始値付近で終値をつけます。
翌日価格がV字回復したというのは、上でも示した通りです。
おわりに
今日は日銀のETF貸付がはじまってから初めてとなる大型の貸付が行われた日の様子についてレビューしてみました。
結果としては、貸付で崩された市場をそれをはるかに上回る買付で日銀が支えたという構図が見えてきました。
日銀のETF買いの枠はまだ十分にありますから、当分は買い支えが続きそうな感じはします。
しかし、裏を返せば日銀が態度を翻したら株式市場は一気に悪化するおそれがあるということ。
実際に100億円の貸付が行われた日は日経平均も急落を見せていますからね。
日銀の買い支えは頭に入れつつも、通常時と同様に、必要なリスク管理は忘れない方が良いでしょうね。
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