【Macbee Planet 7095】解約防止チャットボットが成長のカギ?

企業分析

今週は、監視銘柄の一つであるMacbee Planetについて分析していきます。

ここは、上場時から注目しているのですが、上場以降、業績がはちゃめちゃに伸びています

事業形態をジャンルで分けるなら、広告代理店に位置すると思われるのですが、ただ単にメディアとクライアントの橋渡しをするだけではなく、クライアントに対して効率的にお金を落としてくれる顧客を連れてきて、さらにその顧客に対してクライアントのサービスを継続させる働きかけも行ってくれる会社です。

自社テクノロジーを活用したデジタルマーケティング+コンサルティングという位置づけでしょうか。

今回は、同社のプロダクトの中でも、業績飛躍に特に影響を与えているのではないかと私が考えている解約防止チャットボットに注目して深堀します。

Macbee Planetの業績は?

まずは簡単にMacbee Planetの業績から見ていきましょう。

株式会社MacbeePlanet 2022年4月期第3四半期決算説明資料より抜粋

上図のとおり、きれいな右肩あがりの業績です。

7期連続増収増益、CAGRは+43%という急成長ぶりで、向かうところ敵なしといった感じです。

次に事業内容を見ていきましょう。

事業概要は?

Macbee Planetは下の図にあるように、クライアントとその顧客のタッチポイントのあらゆる点において自社テクノロジーを使ってLTV*の最大化を図ることで、クライアントに利益をもたらすことを事業としています。

*顧客が取引の開始から終了までの期間に企業にもたらす利益(顧客生涯価値)

株式会社MacbeePlanet 2022年4月期第3四半期決算説明資料より抜粋

例えば、少年漫画が無制限に読める月額課金サービスを提供しているクライアント(A社)とその顧客(C1)の契約から解約を思いとどまるまでの下記のようなフローを想像してみてください。

  1. C1は、ウェブブラウジングをしているときにふと目にした広告に目を引かれ、その広告をクリックしてA社のサイトに誘導されました
  2. A社サイトでは、提供しているサービスについてチャットボットが対応してくれ、自分が知りたかった情報を得ることができて納得したので、サービスの契約に至りました。
  3. 契約から数か月たって、最初に読みたかった漫画を読み終えてしまったC1は、月額課金を解約しようと思い、解約ページに進んだところ、チャットボットに解約理由を尋ねられました。それに答えたら、別の漫画を読んでみないかと提案され、おもしろそうだったので契約を延長することにしました。

上記はあくまでもイメージなので実際Macbeeが提供しているサービスと詳細は異なる部分もあるかもしれませんが、このように各タッチポイントにおいて、顧客に対して働きかけをすることで、LTVを最大化することがMacbeeが提供しているサービスのイメージです。

そして、上記のフローの中で私が一番重要ではないかと考えているのが、3の解約防止チャットボットです。

解約防止チャットボットとは?

昔は(今もあるでしょうが)、何らかのサービスを提供する企業には、カスタマーセンターみたいな部署に電話対応のオペレーターを抱えていて、顧客がその企業との契約を終了したいという申し出があったら、オペレーターが電話対応して顧客をなだめすかして解約を思いとどまらせたり、さんざん怒られたあげく契約解除したりという流れがありました。

このオペレーターの役目を担ってくれるのが、解約防止チャットボットです。

オペレーターを抱えていたら、人件費もかかるし、オペレーターの心理的負担のケアもしなきゃならないし、対応の質は個々のオペレーターに依存してしまうしと、なかなか課題が多いでしょう。

一方で、高品質のチャットボットを一度サイトに組み込んでしまえば、顧客が知りたい情報を適時提供してくれるので顧客満足度の改善も期待できるし、オペレーターに割いていた人件費も削減できます。

Macbeeは、解約ページ上でのチャットボットによる解約防止で特許を取っているほか、会話内容や情報量によって表示速度を変化させることで利用者のストレスを軽減させるインテリジェンスレスポンスという技術や、ユーザーとのコミュニケーションで得た回答によってユーザーの温度感を数値化する機能で特許を取っており、解約防止チャットボットに力を入れていることがわかります。

この解約防止チャットボットの良き点はいろいろありますが、Macbeeの提供するサービスとのシナジーで考えた時に、何より重要なのは、顧客の心理データ(ZERO Party Data)を収集できるという点でしょう。

ZERO Party Dataとは?

ZERO Party Dataとは顧客の心理データであると、マクビーの資料には示されています。

デジタルマーケティングに活用できるデータとして考えられるものはいくつかありますが、その中でもMacbeeが扱うのは、1st Party Data, 3rd Party Data, そして、ZERO Party Dataです。

macbeeから提示されている以下の資料がわかりやすいです。

株式会社MacbeePlanet 2022年4月期第3四半期決算説明資料より抜粋

1st Party Dataは、顧客(候補となる者も含めて)がweb上でどんな行動をとったか(どのサイトから流入しているか、どのような広告からサイトを訪れたか、等)を収集したデータやクライアントの事業を通じて得られた顧客データ(顧客属性や購買履歴、等)です。

3rd Party Dataとは、天候や地理データなど、第三者が提供するサービスにより得られるデータです。

そして、上記に併せてMacbeeが用いるのが、自社(子会社のSmash)が提供するリテンションボット「Smash」を通じて得られるZERO Party Dataです。

なぜZERO Party Dataが重要なの?

顧客がクライアントのサービスを解約したいと考える理由には、マーケティングの重要な情報が詰まっています。

先ほどの例の続きで、例えば、次のような顧客を想像してみます。

  • 顧客C2は、A社のサービスを数か月契約していましたが、この度解約することにしました。解約時に対応したチャットボットに解約理由を尋ねられ、「格闘漫画ばっかりだから」と答えました。

上記の例では顧客C2は結局解約に至ってしまいましたが、A社のサービスは「格闘漫画好きな人にはハマる可能性が高い」という情報が得られます。

これを新規顧客開拓に利用すると、例えば総合格闘技関連情報をまとめたサイトに広告を出稿してみると、そこから契約に至る顧客は、ファッションサイトに出稿した広告で得られた顧客よりも、クライアントにより大きな利益をもたらすことが期待できます。

実際はこんなに単純な話ではなく、ハニカムという別の自社プロダクトを活用して、1st, 3rdデータを織り交ぜて分析しながら、デジタルマーケティングを行っているようです。

その結果、クライアントに親和性の高い顧客を送り込むことができ、Macbee自身の業績の高成長にもつながっているというからくりです。

解約時のタッチポイントから、次の顧客候補へのアプローチを変化させるという、顧客単位ではなくサービス単位での持続性を考えたサービスだと評価できるのではないかと思います。

ここまで書くと、サブスクリプション型のサービスを提供する企業との親和性が非常に高いことがわかりますよね。

世の中には、様々なサブスク型サービスを展開している企業があるので、Macbeeのクライアントと成り得る企業は山ほどあり、その市場は非常に大きなものであると想像できます。

市場の大きさを考えれば、Macbeeの快進撃は、まだしばらく続くのではないかと思っています。

おわりに

今回は、監視銘柄であるMacbee Planetについて、解約防止チャットボットに着目した記事を書いてみました。

Macbeeはわずか63名(2022年1月現在)で140億円(今期業績予想)をあげるすごい企業です。

決算説明で提示される資料は専門用語が散りばめられていて、ビジネスモデルを理解するのに苦労しました。

記事にまとめるのに苦労しましたが、少しでもMacbeeが手掛けているビジネスの理解が進めば良いなと思います。

今週のトレードと現在の保有状況&含み損益

先週&今週のトレードは確定+-0円でした。

保有は以下のとおりです。


ブロトピ:こんな記事書きました!


ブロトピ:ブログ更新しました



人気ブログランキング

コメント

タイトルとURLをコピーしました