【リネットジャパン 3556】 好調リサイクル事業を分析

企業分析

本当は先週末にアップするはずだったですが、1週間間があいてしまいました・・・。

週末はトレード内容を書いていたのですが、最近はそんなに頻繁にトレードをしないスタイルに変更してしまったので、コンテンツとしてつまらないなと思ったので、今週から趣を変えて(できれば)毎週、注目している企業の分析記事をあげたいと思います。

記念すべき初回は、現在の主力投資先の一つであるリネットジャパン(銘柄コード:3556)です。

リネットジャパンの事業の中から、私が特に期待している小型家電リサイクル事業について今週は深堀します。

リネットジャパンの事業内容は?

まずはじめにリネットジャパンの事業内容を簡単に見ていきます。

リネットジャパンのセグメントは2つ、「国内Re事業」と「海外金融HR事業」です。

2019.9期時点では、主にカンボジアにて車両販売等で売上を伸ばしていた「海外金融HR事業」のセグメントの方が売り上げが大きかったのですが、コロナ禍を受けてそちらは失速、車両販売事業は新規営業を停止し、徐々に事業縮小を図る旨が会社からも報告されています。

「海外金融HR事業」のセグメントでは、今後はコロナ禍でも着実に成長をしていたマイクロファイナンス事業、そして人材送り出し事業がメインとなる見込みです。

なお、事業ポートフォリオの変化については、下記の記事でも少し触れています。

さて、本日の本題はもう一つのセグメント「国内Re事業」のうち、小型家電リサイクル事業です。

「国内Re事業」のセグメントに入るのは、中古品販売を手掛けるネットオフを運営している「リユース事業」と、今回分析する「小型家電リサイクル事業」です。

さて、それでは小型家電リサイクル事業の現状についてみていきましょう。

リネットジャパンの小型家電リサイクル事業の強みは?

リネットジャパンが手掛ける小型家電リサイクル事業ですが、その強みについてみていきます。

リネットジャパンが手掛ける小型家電リサイクル事業の強みは、小型家電リサイクル法に基づく認定事業者のうち、ネット申し込みによる宅配便回収を国内で唯一展開していることです。

宅配便回収をしているリサイクル事業者はいくつかあるらしいのですが、リネットジャパン以外は国の認定を受けていない無許可の事業者です。

国の認定事業者のうち、宅配便回収を行っているのは、リネットジャパンくらいで、他に強い競合がいないということは社長自らも語っています。

小型家電のリサイクルは強敵やライバルはいないと考えています。他は無許可業者であり、今のところ許認可を取得している会社は我々の他におりません。ですので、実質的な競合企業はいないと考えています。(黒田社長)

https://finance.logmi.jp/376820

社長の言ってることを確認するために、試しにgoogleで「宅配便 リサイクル」と検索してみてください。

出てくるのはヨドバシ、リネット、アマゾン、ジョーシン、自治体などのページが並びますが、これらは看板こそ違えど、いずれもリネットジャパンのサービスです。

なお、リネットジャパンの宅配便回収は、佐川急便とタッグを組んだサービスになります。

これについては、小型家電リサイクル法が施行される2013年よりも前の2012年から実証事業を行い、協業スキームを確立したということが下記のリリースに記載されています。

リネットジャパンと佐川急便 全国初となるサービス開始!使用済パソコン・小型家電の宅配便回収を全国エリアへ本格拡大~2015年3月2日(月)よりサービス開始~
リネットジャパングループ株式会社のプレスリリース(2015年2月27日 15時00分)リネットジャパンと佐川急便 全国初となるサービス開始!使用済パソコン・小型家電の宅配便回収を全国エリアへ本格拡大~2015年3月2日(月)よりサービス開始~

かなり先見の明がありますよね。

それと同時に、他の事業者が真似しようとしても簡単には入ってこられない参入障壁の高さが伺い知れます。

国内Re事業の業績推移

セグメント全体の売上推移

下に示しているのは、国内Re事業としてのセグメント全体の売上推移です。

中古品販売とリサイクルなので四半期による変動があるため、毎期の四半期ごとに同じ色でわかりやすくしていますが、非常によく伸びていることがわかります。

国内Re事業として二つの事業がありますが、現在はまだリユース事業の方が売上規模としては大きいです。

しかしながら、最近、小型家電リサイクル事業が売上を伸ばしており、その影響度を徐々に大きくしていっています。

小型家電リサイクル事業の業績推移

小型家電リサイクル事業は業績好調ですが、それをけん引しているのが自治体との連携です。

自治体連携により、公サービスとして連携自治体に居住する個人からの不要小型家電の宅配便回収を行っています。

そして、その連携数は下のとおり右肩あがりです。

リネットジャパングループ株式会社 2022年 9 月期 第 1 四半期 決算概要 より抜粋

実質的な業績に関連するのは、連携自治体数よりも人口カバー率だと思います。

その関係を図化したのが、下のグラフです。

上側の折れ線グラフは、連携自治体の人口カバー率(連携自治体の居住人口/日本の人口)です。

連携自治体の人口カバー率上昇に伴い、リサイクル事業の売り上げも右肩あがりに増えていることがわかります。

また、下の折れ線グラフは、国内Re事業に占める小型家電リサイクル事業の売上比率です。

小型家電リサイクル事業の売上増加により、国内Re事業セグメント内のポートフォリオが徐々に変化してきている(小型家電リサイクル事業の存在感が増している)様子がわかります。

そして、この小型家電リサイクル事業ですが、営業利益率20%を超える高収益事業であることが社長の口から語られています。

リサイクル事業も営業利益20パーセントを超える、非常に高収益な事業となっています。(黒田社長)

https://finance.logmi.jp/376820

連携自治体は、足元の数字では人口カバー率60%に近い数字となっており、まだ毎月増え続けています。

もはや国内における小型家電リサイクルの重要なインフラになっていると言っても過言ではないのではないかと思います。

小型家電リサイクル事業の次なる展開

連携自治体数を順調に増やし、個人からの不要PC等回収の分野においてはインフラ化しつつあるリネットジャパンですが、その人口カバー率は既に60%に占める勢いであり、今後の伸び代が限られていることが唯一と言っていいくらいの懸念事項かと思います。

しかし、これについても黒田社長は既に次の手を打っています。

黒田社長いわく、今後は中小企業に眠る不要PC等について、リサイクル事業の拡大を目指しているようです。

大企業であれば専用の事業者がいて安全に不要PC等の処分を行うことができますが、中小企業では専用事業者と契約すると効率が悪いため、結果的に不要PC等の処分に困り、手つかずの状態になっている状態なのだそうです。

黒田社長は、中小企業向けの小型家電リサイクル事業の市場規模が、個人向けと同じかそれ以上に上ると考えているようです。

これは個人向けのパソコンと同等、もしくは事業系のほうが多いのではないかと考えています。パソコンは中小企業の会社にとっては個人向け以上に消耗品であり、数年に1回は買い替えています。10人、20人の従業員規模でもほぼ1人に1台ずつパソコンがあるため、どのような中小企業でも不要になったパソコンが数台はバックヤードに眠っています。ですので、個人向けと同等、もしくはそれ以上に有望な領域と考えています。

https://finance.logmi.jp/376820

不要PC等の処分に悩んでいた中小企業にとって、国の認定事業者であり、全国の自治体との連携実績があるリネットジャパンからの営業は渡りに船でしょうから、前途洋々の未来が見えます。

営業活動には困らなそうですが、逆に入れ喰いになってしまうと、回収した不要PC等を解体する作業がボトルネックになるおそれがあります。

これについても既に手を打っていて、年内に新たなリサイクルセンターを開設予定とのことです。

現在、名古屋市内にある第1センターもキャパが満杯の状況ですので、2022年内には第2センターを立ち上げたいと思っています。この物流センターのキャパが広がれば、小型家電においてそれに見合う分の数字を伸ばしていけるため、第2センターの年内立ち上げを目指し、準備を進めています。

https://finance.logmi.jp/376820

先手先手で事業投資できていることからも、経営陣がこの事業の行く末に自信をもっていることが伺えます。

おわりに

今回は現在の主力投資先の一つであるリネットジャパンの小型家電リサイクル事業についてとりあげてみました。

リネットジャパンは自社の利益もあげつつ社会に必要なサービスを生み出そうとしている姿勢に非常に好感がもてます。

今回はとりあげていないですが、カンボジアにおける海外事業も含めて、黒田社長の経営者としての先を見る目も素晴らしいのではないかと思います。

今回とりあげた小型家電リサイクル事業をはじめとして、非常に先が楽しみな企業なので行く末をしっかり見守りたいなと思います。

今週のトレードと現在の保有状況&含み損益

先週&今週のトレードは確定-11,499円でした。

保有は以下のとおりです。


ブロトピ:こんな記事書きました!


ブロトピ:ブログ更新しました



人気ブログランキング

コメント

タイトルとURLをコピーしました