今後の成長を期待してポートフォリオに入れている銘柄の一つでありますメディカルネットの2021年5月期Q3の決算が4月9日にありました。
今回はそちらをレビューしていこうと思います。
期待のメディカルネットですが、各種事業が上手く軌道に乗ってきている様子がうかがえる内容の決算でした。
さっそく中身を見ていきましょう。
決算レビュー
まずは各種指標についてみていきたいと思います。
事業全体について
まずは事業全体の様子を見ていきます。
売上高は13.5%増と二桁成長。
特筆すべきは営業利益以下ですね。
昨年度の数字だと営業利益率は5.1%ですが、今年度は11.4%まで拡大してきています。
高い利益率を実現できる事業環境になってきた様子が垣間見えます。
こちらは今季の業績予想ですが、すでに営業利益で93.7%、経常利益は下限値は既に達成、上限値に対しても95.3%の水準まで到達しています。
Q3までの状況を鑑みると、Q4に大きな特損などがない限りは、営業利益・経常利益のどちらも達成の可能性が高い状況と見てよいのではないでしょうか。
次にセグメントごとに詳細を見ていきます。
セグメント別の業績
次にセグメント別に前年比を見ていきたいと思います。
こちらは、前年度のQ3累計期間におけるセグメント別の情報です。
それに対して、下記は今年度のQ3累計期間における情報です。
いずれのセグメントにおいても、増収増益となっています。
特に「医療機関経営支援事業」「医療BtoB事業」においては、昨年度はどちらもセグメント損失を計上していましたが、今期はしっかりと営業黒字に貢献しています。
「医療BtoB事業」は今期もQ1決算時点ではセグメント損失でしたが、Q2から黒転しました。
「メディア・プラットフォーム事業」としては、歯科分野、美容・エステ分野に特化したポータルサイトを運営していますが、Googleのアルゴリズム変動への影響の対応が進み、好調に推移しているようです。
「医療機関経営支援事業」においては、SEM事業、事業者向けホームページ制作・メンテナンス事業は堅調に推移し、昨年度比で増収とのことです。
同じ「医療機関経営支援事業」セグメントで計上されていますが、子会社のMedical Net Thailandはタイで歯科医院を経営しています。
歯科医院運営事業が軌道に乗ったため、更なる業績拡大のために、タイ、バンコクで歯科医院運営事業を行っているPacific Dental CareをQ2期間に連結子会社化しています(メディカルネットにとっては孫会社です)。
M&Aの効果が具体的な業績として表れ始めていて良い傾向なのではないかと思います。
「医療BtoB事業」としては、前年度Q3に吸収合併したブランネットワークス株式会社が運営していた連結歯科医療従事者のための総合情報サイトDentwave.comを引継ぎ、運営していますね。
経営資源の有効活用、柔軟な人員配置による業務の効率化が奏功し、新規顧客の獲得・大口案件の受注などの成果が表れ始めてきたとのことです。
いずれのセグメントにおいても、各種事業が軌道に乗ってきて、良い循環になっているのではないでしょうか。
M&Aの効果も確実に業績に計上されてきているようです。
おわりに
メディカルネットのQ3決算は、好調な事業環境が数字でも表れてきていました。
メディカルネットは、ストック型のビジネスモデルを中心に据えながら、ネットビジネス、卸業、歯科医院経営など、歯科業界を軸足とした各種ビジネスを展開しています。
そして、M&Aを積極的に活用してビジネス領域を広げています。
これからもその方針は変わらないようですので、今後どのように事業を拡大していくのか楽しみですね。
今回の決算で株価があがるかはわかりませんが、引き続き投資対象として成長を見守りたいと思います。
コメント
[…] メディカルネットは先日決算レビュー記事を書きましたが、4月上旬に決算でした。 […]