今週の収支報告です・・・が、今週も確定収支は+-0円でした!
マザーズはいい加減底打ちっぽい雰囲気を醸し出していますが、来週以降の決算シーズンを超えるまでは様子見します。
オミクロンはそろそろ感染者数のピークを迎えそうですし、そうなってくると感染者数の低下とともにまた岸田政権の支持率が持ち直す”おそれ”もあります。
今週は岸田政権の支持率低下のニュースに合わせるように市場が反発して大幅高となった日がありました。
あれが株式市場から見た現政権への評価なのでしょうね。
最近は、3回目接種の遅れや店頭価格引き下げ効果が疑わしいガソリン補助金など、失政を乱発しているので、岸田おろしの声も時期に高まってくるような気がしています。
さて、今週もトレードがなかったので、その代わりに監視銘柄の一つであるスカラの材料をピックアップしてみます。
監視銘柄:スカラ 株式会社エッグの子会社化
昨年までの主力投資先であったスカラから、株式会社エッグの子会社化のIRが出ました。
ようやく待ちに待ったM&Aの第1弾ということでしょうか。
第一印象としては「何だこの会社?」という感じでしたが、中身を見るとなかなか良い案件だなと思いました。
今後のために、ちょっと深堀してみます。
ふるさと納税基幹システムシェアNo.1
株式会社エッグは鳥取県米子市にあるIT企業らしいのですが、一番の売りはふるさと納税の基幹システムを全国で初めて開発し、全国の自治体への導入実績がシェアNo.1だということです。
基幹システムということで、どんなものかなと見てみたところ、自治体側の職員が使用するもののようです。
「ふるさとチョイス」などのポータルサイトと対応し、ポータルサイト経由でふるさと納税の申し込みがあると、その情報を基幹システムで自動に取り込み、寄附証明書の発行などの事務作業を簡略化するというシステムのようです。
会社としての売上・利益も安定しており、直近は3期連続で1~2億円の営業利益を稼いでいます。
安定した売上・利益と、全国の1/3となる680の自治体との契約関係を一度に手に入れられるという案件です。
xIDと手を組み、自治体DXを本格化させようとしているスカラにとって、非常にシナジーが見込める企業だと思います。
スカラがxIDとともに自治体DXを進めるにあたり、一番の支障となると考えていたのが、「自治体への展開スピード」でした。
自治体DXは日本中の国民が課題を認識しているところで、つまりはIT企業にとっては稼ぎが見込めるフィールドで、多くの企業がしのぎを削っていると思います。
その中で勝機をつかむために重要となってくるのは何よりスピードだと思っていました。
スカラはこの点でハンディがあると感じていたのですが、今回の買収により競合のいくつかを追い越すことができたのではないかと思っています。
コールセンター等業務とのシナジー効果
そして、エッグの展開するサービスにおいてスカラのサービスとシナジーが見込めると思ったのが、「コールセンター」です。
エッグのふるさと納税基幹システムのサイトを見ますと、システムが評価されているポイントの一つに「専用のコールセンターを設置してサポート」があることがわかります。
スカラではグループ会社にてコールセンターサービスを提供していましたが、近年はコールセンター需要の低下により、どちらかと言えばグループ全体の中では業績がイマイチの部門でした。
コールセンターにより自治体職員へのサポートを提供するエッグが参加に加わることにより、スカラのコールセンターサービスが活用できる可能性があります。
また、スカラではチャットボットの活用等によるコールセンターの効率化も進めているので、これらのサービスにも新規顧客を呼び込める可能性があります。
このように、安定的な稼ぎに加え、スカラの現事業にも非常にシナジー効果が期待できる買収だと思いました。
また、エッグの買収前には、ICTによるフレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)予防事業を展開しようとしている株式会社コロンブスがエッグの傘下に加わる予定です。
もともと一般社団法人EGGの傘下に、①株式会社エッグ・②株式会社コロンブス・③有限会社Bizサポート・④合同会社エッグ総研という4社があったようですが、①が②~④を子会社化した上で、①をスカラが子会社化するようです。
このコロンブスが展開するフレイル予防事業も、今後医療分野への進出を目指しているスカラにとってシナジーが見込める内容です。
事業段階はまだまだこれからという感じですが、既に黒字経営のようですし、成長の伸びしろはあると思うのでその点でも楽しみですね。
気になる買収費用は?
そして、これらの買収に要した費用が約10億円弱。
非常に良い買い物ではないでしょうか。
ソフトブレーン売却で生まれたキャッシュ及びそれにレバレッジをかけたM&A予算に照らすとまだ余力は十分だと思うので、今後もいくつか案件が続くと思われます。
第1弾でこけたら監視対象から外すことも想定していたのですが、なかなか良い案件だったので、引き続き監視を続けざるを得なくなりました。
とはいえ、子会社化は第3四半期中頃のため、効果が期を通して数字として見えてくるのは第4四半期i以降なので、来期業績への効果は楽しみなものの、今期の業績予想を達成するにはやや力不足です。
この後により大きなM&A案件があるのか、あるいは本業で大きな実績を挙げるのか、今月の第2四半期決算が一つの試金石になりますね。
楽しみが一つ増えました。
おわりに
今週もノートレードだったので、監視銘柄スカラのニュースを取り上げました。
スカラも岸田政権下において株価は低迷していますが、配当があるためある程度のところで下げ止まって横横推移を続けています。
今回のM&A案件は良いものだと思うのですが、第1四半期における本業の実績はあまり見栄えの良いものではなかったので、今後の決算で本業の方で稼げることが目に見えてくると市場からの評価も変わってくると思います。
まずは今月の第2四半期決算が楽しみですね。
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