今週の収支報告です。
連日とんでもない状況になっていますね。
8月の決算ラッシュをざっとみて、業績が回復・成長している企業が多く見受けられたのですが、日本株式市場は相反して大幅な下げを続けています。
ダウは最高値を更新しているというのに日本株の体たらくっぷりは本当に残念ですね。
オリンピックが終わってしまって、それと入れ替わる形で連日コロナ感染者数増加の報道。
これじゃリスクオンの雰囲気になるはずもなく。
高齢者ではなく労働世代に、また、全国一律ではなく動きの多い都心部にワクチンを優先して施していればこのような事態にはならなかったと思われますが、たられば言っても後の祭りですね。
そしてそのような政策判断をしたら野党やマスコミからこぞって大バッシングを食らうでしょうし。
今のこのどん詰まりの状況をつくっているのは、合理性よりも公平さを重視した日本社会なのかもしれないですね。
愚痴っぽい始まりになってしまいましたが、そのような市場環境でしたので、今週はポートフォリオを大きく見直ししています。
利益が出ていた銘柄の一部を放出してキャッシュ化して防御ポジションを取ると同時に、今後が期待できる銘柄を現物ポートフォリオに加えています。
含み益を吐き出した形になったので、当然含み損がまだ残っていますがしばらく息ができるようにはなりました。
早速、トレードを振り返っていきましょう。
今週のトレード銘柄
今週のトレード銘柄は、スカラ、リミックスポイント、リネットジャパン、ライトアップ、テスク、メディカルネットです。
スカラ
スカラは8月16日(月)が決算発表でした。
中期経営計画であるCOMMIT5000通りの計画を辿るつもりならば、今期の業績予想は大幅な売上・利益の増加を打ち出してくるだろうと予想はしていました。
短期的にもかなり売り込まれて株価を下げていたため、通常の市場環境ならそのまま決算跨ぎをしていたと思います。
しかし、直近の決算で良い数字を出したと思った企業が売り込まれていて、今の市場環境からするともし業績予想を(未定)で出してきたり、中途半端な数字を出してしまった場合、更に大きく売り込まれるおそれがあると判断しました。
そのため、決算前に保有の半分を利益確定し、キャッシュ化しました。
結果的には大きく売り込まれることは無かったので保有したまま跨いでも問題なかったですが、退場しないためには最悪のケースを想定して動くしかないので、これは仕方ないかなと思います。
今期予想ですが、37.4~129.0%増収、104.2~444.6%増益(営業利益)とかなり幅を持った数字を出してきました。
下限値でも増収増益なので問題ないですが、上限値を達成するためには現在の事業ポートフォリオでは達成不可能な数字だと思われます。
これを達成するためには、従前から計画されているM&Aが必須だと思いますので、これ次第ということでしょう。
スカラには今期に入る前に大型M&Aの情報を出してほしかったのですが、残念ながら今日現在でまだその情報は出てきていません。
それが出てこないうちは業績予想に対する市場からの信頼は得られないだろうと思うので、1日も早く計画を公表できるように進めてほしいところですね。
スカラ関係のニュースとしては、昨日、COMMIT5000のフォローアップレポートが出されました。
あまり新しい情報はなかったですが、アーキテクツ・スタジオ・ジャパンとの共創プロジェクトにて5年後に注文住宅のシェア10%獲得を目指すという野心的かつ具体的な将来展望が出てきたのは興味深かったです。
正直なところ、現在見える情報から判断すると大風呂敷も良いところなのですが、今後この目標が現実味を帯びる情報が出てくれば良いなぁと思っています。
リミックスポイント
スカラを売却した資金を活用して、新たにポートフォリオに組み込んだうちの一つがリミックスポイントです。
今回の決算を眺めていて抜群に良いなぁと思ったのが、このリミックスポイントでした。
私がリミックスポイントに従前持っていた印象は、いわゆる”仕手株”という評価だったのですが、事業内容を見てみると、以外にも着実に歩んでいるように見えました。
あらゆる事業を手掛けているリミックスポイントですが、安定した収益の柱として育ちつつあるのが、電力小売事業です。
利用者が電力会社を自由に選択できるようになった電力自由化に伴い市場に参入していますが、メインターゲットである低圧需要家・高圧需要家の契約数を右肩あがりに伸ばしており、業績も安定してきています。
8/13に公表された2022.3期Q1決算では24.3億円の売上、4.5億円のセグメント利益をあげており、前Qに続いて4億円超えのセグメント利益になっています。
この電力事業において大きなリスクなのは、昨年末から年明けにかけてにあった電力価格の異常な高騰です。
自前で発電所を持たないリミックスのような電力事業者は、電力卸であるJEPXや電力会社から電力を調達していますが、昨年末はパナマ運河の通峡遅延によるLNG在庫低下などの影響もあって電力需給が逼迫し、卸価格が通常の10倍程度にまで異常高騰しました。
また、小売事業者がJPEXから電力調達できない場合、電力会社から供給量を調達しなければならない(インバランスと言うそうです)のですが、この価格が高騰した市場価格をベースに決定されることになっており、これが原因で昨年度決算では約27億円もの損失を計上しています。
え、そんなのリスクだらけで危ないじゃん、と思われるでしょうが、過去の失敗から学んだリミックスポイントは、電力需要が高まることが想定される今夏分については先物取引を活用するなどして既にリスク回避しているとのことです。
昨年末の状況は電力市場の歴史においてはじめてとも言えるレベルの現象なので今後はそうそう発生しないでしょうし、今回の事件を経て、仕入れ価格安定のための方法を身につけたため、ますます当該事業は安定していくのではないかと思っています。
そして、もう一つの収益の柱としなりつつあるのが、金融関連事業です。
このセグメントには、子会社であるビットポイントジャパンが運営する暗号資産取引所ビットポイントの業績が反映されています。
ビットポイントと言えば、2019年に約30億円相当の暗号資産の不正流出事件を起こして世間を騒がせましたが、その後も取引所を運営し続け、最近はビットコインの価格上昇も手伝って業績を急激に回復してきています。
過去に580億円相当もの暗号資産が不正流出したコインチェックでさえ、今はマネックスグループの業績を支える事業会社に大復活しています。
技術の過渡期に生じた事件ということで、喉元過ぎれば熱さを忘れてしまうのでしょう。
ビットポイントも昨年11月以降は毎月事業単位で黒字を計上できるようになり、最新のQ1決算では約2億円のセグメント益を計上するまで業績が安定してきています。
そして8月25日には、国内取引所として初めてADAを上場させるとのことです。
ADAはビットコイン、Ethereumに続く時価総額を誇る(本日時点)、世界で人気の暗号資産です。
それが国内取引所ではビットポイントのみの取り扱いとなるため、取引量の活発化が期待され、今後の業績にもポジティブに働くことが想定されます。
これらの事業が貢献することで、今期のリミックスポイントの営業利益予想は約26億円とされています。
今日時点の時価総額が170億円程度なので、予想が達成できるならかなりお得だなという印象を受けます。
そして、達成できる算段は十分にあるのではないかと思っています。
リネットジャパン
リネットジャパンは信用で抱えていたものをいくつか現引きしました。
高めの玉から現引きしているため、単価は高くなっていますが、これからの取引で徐々に単価を下げていくことを画策しています。
まだ信用比率が高いためしばらく高騰は見込めなさそうですが、それが解消されていけば半年後くらいには良い景色が見られるのではないかと期待しています。
ライトアップ
ライトアップも度々触れている期待する銘柄で、もし株価が低位で推移している状態なら、今期の決算はすべて跨ごうと思っています。
それくらい直近の業績は堅実だと評価しています。
ここのビジネスモデルは素晴らしく良いのですが、いかんせんそれの伝え方が非常に下手です。
youtubeの拾い物ですが、この方の動画中にあるビジネスモデルの説明がとてもわかりやすかったので、参考に貼っておきます。
テスク
テスクはこのブログでは初めてお披露目しますが、私が大化け期待で抱えていた虎の子の銘柄です。
名証2部というマイナー市場に上場しているマイナー銘柄なのですが、安定した業績を出している優良企業です。
流通業に特化したソフトウェアベンダーということで、全国のローカルスーパー等に基幹システムを提供しています。
時価総額10億円ちょっとながら、ここ最近は1~2億円程度の営業利益を上げています。
私が化けるかと期待したのは、ここ1~2年くらい、短信にクラウド化を進めていることが書かれていたためです。
この時価総額で既に安定した収益を出せている企業が、SaaS企業として生まれ変わるのならば、大きく株価が化けるだろうと思って現物で温めていました。
良い感じで利が乗っていて、マイナー市場なので全体下落相場の際もどこ吹く風の値動きだったのでまだ継続保有していたかったのですが、今回の下落で泣く泣く放出。
またいつか余裕が出てきてその時にまだ株価が低迷していたら再度inすることを検討したいと思います。
メディカルネット
メディカルネットもだいぶ前に長期保有目的で現物保有していて、一時期は買値の倍近くまで株価が高騰した時もあったので、もう買値には戻らないだろうと余裕をぶっこいていたら、下落下落を繰り返し、とうとう買値付近まで来てしまいました。
そのため、こちらも持ち株の半数をキャッシュ化しました。
足元の業績や野心的な計画を見ればかなりお買い得な水準だとは思うのですが、この地合いでは仕方ないですね。
おわりに
今週は波乱の週でした。
お盆が明けたら一旦回復に向かうかなと想定していたのですが、先週以上にひどい状況でした。
今後もしアメリカの下落があったとしたら、先行して下げていたにも関わらず更に日本市場が連れ下げするみたいなことも考えられるので、非常に嫌な地合いです。
ですが、客観的にみてかなり美味しそうな価格帯の銘柄もちらほら出てきているので、買い転換のタイミングを見極められれば大勝ちも期待できる水準かと思います。
まずは向こう何週間かを耐えないといけないので、防御ポジをしっかりとって、来るべき攻撃のタイミングに備えたいですね。
コメント
[…] こちらは先週の記事にも書きましたが、今後を期待して現物ポートフォリオに新たに組み込んだ銘柄になります。 […]